とあるレンジャーの休日
(なんで、こんなことになってるんだっけ?)
そもそも二人で出掛けようとしたのは、歩の不眠やその原因になっている悩みを解決させるために、ちゃんと詳しく話を聞こうと思ったからだ。
歩があちらに戻る期限は、あと二週間に満たない。
本気で解決に向けて取り組まないと、本当に間に合わなくなる。
紫乃は認識を新たにして、歩の顔を覗き込んだ。
「なんかうやむやになってるけど。歩が悩みを解決して、ちゃんと眠れるようになるまでは、付き合わないんだからね!」
そう言うと、歩はため息混じりに呟いた。
「なんだ。思い出しちゃった? このまま勢いで押しきって、先に既成事実作っちゃおうかと思ってたのに」
「はあ?」