とあるレンジャーの休日
22
外を適当に歩いた後で、二人は再びモールの中へ入り、服や雑貨などの店を見て回った。
歩は、洋服や身につけるものには、あまりこだわりがないようだ。
「俺は動きやすくて、着心地良ければ何でもいいよ」
そう言って、紫乃が手に取ったものを横から興味深げに覗き込んでくる。
「紫乃は、おしとやかな感じが好きなの?」
「え……そう見える?」
その時手にしていたのは、冬向けにどうかなと思った、厚手な生地のシックなワンピースだ。
「うん。今着てるのもそうじゃん」
紫乃は、自分の着てきた服を見下ろして、そうか……と思った。
白のブラウスに、巻かれた一連のネックレス。
下はグレーのストレートパンツ。
足下はヒールの低いパンプス。
薄手のコートも羽織っている。
それぞれシンプルだけど、形がキレイなものを組み合わせてあった。