とあるレンジャーの休日

「あのねっ」

「だって、あんな顔する紫乃が悪い」

「……あんなって？」

「紫乃、俺のこと好きだよね」

　そんなことを言って嬉しそうに笑う歩に、紫乃は唖然とする。

「なんで」

「さすがに、嫌がってるかどうかくらい分かるよ。それに〝本気の好き〟も、見てればちゃんと伝わる」

　紫乃は息を呑み、恥ずかしさに耐えきれず、再び下を向いた。

　こういうところは、やはり歩の方が上手だ。
　見た目とは違い、年相応だと感じる部分。

　対する自分の、この不甲斐なさときたら……