とあるレンジャーの休日
「俺と付き合う? 別れるとか言わない? これからのこと一人で決めないで、ちゃんと二人で話し合う?」
立て続けに問われる。
紫乃は息苦しさから解放され、大きく息を吐きながら、渋々頷いた。
「……こんな面倒くさい女がいいなら、好きにすれば」
「やったーっ! 一歩前進!」
再びギュッと抱きしめられ、紫乃は「苦しいっ」と呻く。
歩のこの根気とパワーは、一体どこから来るのだろうか。
紫乃は、自分にはとても太刀打ちできそうにないと思い、肩を落として再び大きく息を吐いた。
二人はモールを出て電車に乗り、おばあちゃんの入院している病院に向かう。
歩は、繋いだ手を大きくブンブン振りながら歩き、見るからに浮かれた様子だ。