とあるレンジャーの休日

(私の何がそんなにいいんだろう?)

 紫乃には、本気で理解し難い。

 彼が部隊に戻り、別々になった後のことがリアルに想像出来ていないのか。
 それとも、何か他に考えていることがあるのだろうか――

 この付き合いは、歩の気持ち次第だ。
 彼が諦めないうちは逃げられそうにないし、諦めたらきっとそこで終わってしまう。
 どちらにしろ、紫乃に選択権は無かった。

(ツライのが分かっててわざわざ……)

 またしてもため息が出る。
 すると、それに気付いた歩が顔をしかめて文句を言った。

「なんでそんな顔してるの、紫乃」

「んー、これからのことを考えると色々……」

「俺と付き合うの、イヤ?」

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