とあるレンジャーの休日

 紫乃はしばらくジッとして他に異常がないのを確認し、視界の揺れが落ち着くのを待ってから、答えた。

「大丈夫。久しぶりに飲んだから……ちょっと回ったみたい」

「座ってて。俺がやるから」

 歩はその言葉通り、皿やグラスを次々と洗い場へ運んでいく。
 紫乃はそれらをぼうっと眺めながら、テーブルに肘をつき、脱力した。



 遠くでずっと、カチャカチャと食器が鳴る音と流水音が聞こえている。
 それらが止んで静かになったと思ったら、しばらくして、肩を優しく揺すられた。

「紫乃。眠い?」

「んー……」

「上まで運んでこうか?」

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