とあるレンジャーの休日

(上まで……?)

 そこでハッとし、紫乃はようやく重い瞼を開いた。

「ダメ。お風呂……」

「入ってもいいけど、今日はシャワーだけにしときなよ」

「……うん。そうする」

 テーブルに突っ伏したままの紫乃を見て、歩は心配そうに顔を覗き込む。

「俺、一緒に入ってあげようか?」

(一緒に……?)

 紫乃は眉根を寄せ、遅れて意味が分かって、ガバッと顔を上げた。

「ありえないでしょ!」

 ようやく目が覚めてくる。
 隣に立つ歩を睨みつけると、彼はククッと笑って紫乃の髪を一束掴み、それをスルッと指で梳いた。

「片付けは終わったから。先にシャワー浴びて、上がったら教えて」

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