とあるレンジャーの休日

 ものすごい押しに負ける形で、歩と付き合うことを了承してしまった。

 まさかいきなりそんな展開にはならないと思うけれど、でも歩のことだから、どう来るか分からない。
 さすがに家族もいる家の中で、それは……

 紫乃は頭の中でぐるぐる悩み、また視界がクラリと揺れるのを感じて、ハッとした。

(このままじゃのぼせる!)

 前から考えていた通り、ベッドを彼に譲り、紫乃が隣の和室で寝るのはどうかと提案しよう。
 匂いがあれば落ち着くと言っていたし――

 紫乃はそう決めて、シャワーのコックをキュッと締めた。





 歩が風呂に入っている間に、紫乃はベッドと自分の寝支度を整え、隣の和室で彼を待った。

 部屋に戻ってきた歩は、敷いた布団の端に正座している紫乃を見て、ギョッとする。

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