とあるレンジャーの休日
「何してんの?」
「ああ、うん。私、今日はこっちで寝ようと思って……」
「えっ!?」
歩はビックリした表情のまま固まり、ジッとこちらの様子を窺った。
「……いいの?」
そう聞かれ、紫乃は意味が分からず眉根を寄せる。
「何が?」
「いや、だから」
「歩は今日、私の部屋で寝て。ベッド使って構わないから。もしそれで眠れれば、また一歩前進でしょ」
紫乃がそう説明すると、歩はガクリと膝を折って畳に手をつき、深いため息を吐いた。
「ビックリした……」
「え、何?」
顔を上げた歩は、紫乃の顔を見て、苦笑いを浮かべる。