とあるレンジャーの休日
「いや、いい。俺もそう思ってたから」
「は?」
「まずは、眠れるようにならないとな」
紫乃は首を傾げつつも頷き、立ち上がって、隣の部屋へ向かう歩を見送った。
「眠れなかったら、戻ってきていいよ」
ドアの前で立ち止まり、そう言ったら、歩は複雑な表情で呟いた。
「どっちにしろ、眠れなさそう」
「ん?」
「おやすみ、紫乃」
ふと、歩の顔が近付く。
まだお酒が残っていたせいか、単に油断していたからか。
唇が触れ合ってしまった後に、紫乃は驚き、目を見開いた。
「また……」
紫乃は頬に熱を感じ、歩を睨みつつ、文句を言う。