とあるレンジャーの休日

 明け方、考えることにも疲れ果て、寒さもあってようやくベッドに上がる。
 布団に入ると紫乃の香りに包まれて、ホッとした。

 彼女の気配はなくても、壁を挟んですぐ隣にいることはわかっていたし、だんだん布団が温まってくると、そのうちに彼女に抱きしめられているかのような錯覚を覚えた。

(紫乃……)

 目を閉じたらようやく意識が遠のいていき、後は夢も見ずに眠った。


   *


 歩は、朝いつもと変わらぬ時間に目が覚め、部屋を出る。

 全然寝足りておらず、ぼうっとする頭を振りながら階段を下りた。
 すると、ちょうど洗面所からパジャマ姿の紫乃が出てきて、歩に気が付く。

「おはよう。どうだった? ちゃんと眠れた?」

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