とあるレンジャーの休日



 食事を終えた吾郎が一足先に道場へ向かう。

 食べ終わって、後を追いかけるのかと思いきや、歩は「代わりに買い物行くよ」と言い出した。

 紫乃は驚き、ポカンと口を開ける。

「今日からじいちゃんいないから、大変なんだろ? 出来ることは手伝うよ。スーパーは一緒に行ったから、場所わかってるし」

「歩……」

 紫乃は早速メモを取り、買い出しリストを作った。
 買い物の時間が浮くのは、正直ものすごく助かる。

「ありがとう! すっごく嬉しい! 助かる!」

 全力でお礼を言ったら、歩は得意げに笑って、「皿洗いもやるよ」と申し出てくれた。

「歩〜っ!」

 感激して思わず抱きついたら、彼はビックリした顔をして、今度は少し照れくさそうに笑った。



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