とあるレンジャーの休日
紫乃が洗い終わった洗濯物を抱えて二階に上がろうとした時、ちょうど買い物に出るために玄関で靴を履く歩と鉢合わせた。
「買い物、行ってくるね」
「うん。よろしくお願いします」
「あのさ……」
「ん?」
何か言いかけた歩を見て、紫乃は首を傾げる。
すると彼は手招きをし、顔を近づけてきて、耳元で囁いた。
「帰ってきたら、ご褒美ちょうだい」
「……ご褒美?」
なんだろう――何か欲しいの?
紫乃が目で問いかけたら、歩はニッと笑って後ろに下がりながら答えた。
「何か一つ手伝うごとに、キス一回」