とあるレンジャーの休日

 歩は驚愕の表情を浮かべて叫んだ。

「えーっ!? 俺と二つっきゃ違わないの?」

「いくつだと思ってたんだよ……」

 紫乃が顔をしかめると、歩は少し焦った様子で、懸命に言い訳した。

「だって、塚本さんにタメ口だったし。あの人と同い年か、年上かなって」

「アイツはいいの。敬語ってのは敬うべき相手に使うもんだ」

 再び歩き出した紫乃の後を、歩もゆっくりした歩調でついて来た。
 歩きながら、何やらブツブツ呟いている。

「ねえ、俺、先生のこと何て呼べばいい?」

 そう訊かれ、紫乃は肩をすくめた。

「お好きにどうぞ」

 すると歩はタタッと走って紫乃の隣に追いつき、こう言った。

「紫乃ちゃんは?」

「それ……塚本みたいでヤダ」

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