とあるレンジャーの休日
歩は照れくさいのか、ムッとした顔をしてそれを誤魔化した。
「なんだよ」
「ううん。……どっちがいい?」
布団の上にお尻をついていた紫乃は、ベッドをチラリと見てから、再び歩の顔を見上げる。
「なんか、紫乃が妙に落ち着いててヤダ」
歩は拗ねたようにそう言い、紫乃の前に膝をついて座った。
「ヤダって言われても」
「なんだよ、余裕?」
紫乃は苦笑いして、囁く。
「緊張してるよ? そう見えないかもしれないけど」
すると歩の顔が近づき、紫乃は自然に目をつむった。
唇がそっと触れて、すぐに離れる。
緊張で止めていた息を吐いたら、強い力で抱きしめられ、そのまま二人は一緒に布団へ倒れ込んだ。