とあるレンジャーの休日

「じいちゃん……そんなに悪いの?」

 歩の問いかけに、清二郎は苦笑を浮かべる。

「わかりやすく言うと、余命半年ってとこか」

「え?」

 紫乃の二の腕を掴んでいた歩の手に、グッと力が入った。
 呆然としていた紫乃はその感触にハッとして、ようやく顔を上げる。

「歩……」

「嘘だろ、冗談……」

 歩の顔が大きく歪み、今にも泣きそうな表情に変わった。

 それを見た清二郎は、微笑んだまま肩をすくめる。

「いくらなんでも冗談にしては悪趣味だろう、こんな話」

「だって半年って……手術はできないの?」

 前のめりになる歩の身体を、今度は紫乃が支える。

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