とあるレンジャーの休日

(やっぱ、結婚?)

 今すぐ一緒には暮らせなくても、結婚して家族にさえなっておけば、非常時だけでも戻ってくることは出来るようになる。
 同じ離れているにしても、恋人と夫婦では、心持ちが全く違うはずだ。

(でも、紫乃がそれを望むだろうか……?)

 付き合うことにさえ、あれだけ戸惑いを見せたのだ。
 結婚なんてことになれば、なおのこと躊躇するだろう。

 歩は走っていた足を止め、ふと空を見上げた。

「思いっきり飛びてぇな……」

 曇ったままの灰色の空は、まだしばらくは晴れそうになかった。



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