とあるレンジャーの休日

   ***



 二日後、清二郎が診療に復帰した。

 可能な限り、今まで通りに患者を診たいという本人の気持ちを、紫乃もギリギリまで支えるつもりだ。

 その日の午後、駐屯地でのバイトを終えて家に戻る途中の道で、紫乃は意外な人物に出くわした。
 ――坂下宗春である。

「紫乃ちゃん……」
「ハルくん? こんな時間に何してるの?」

 彼は夜の道場を手伝ってくれてはいるが、昼間は普通のサラリーマンだ。
 まだ15時を過ぎたばかりの今、彼がこんなところにいるのはおかしい。

「話があって、半休もらったんだ」
「話って……私に?」

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