とあるレンジャーの休日
「ありがとう、ハルくん。あの、それを言うためにわざわざ半休を?」
「あ、いや。今日の話は、それとは別で……」
彼が口ごもるのに合わせて、歩調がだんだんとゆっくりになっていく。
ついには足を止めてしまった宗春の顔を、紫乃も立ち止まって見上げた。
「ハルくん?」
「あのさ、紫乃ちゃん。……僕と、結婚しない?」
一瞬、何を言われたのか分からなくなり、紫乃は無意識に口をポカンと開けた。
(結婚? 誰と誰が?)
宗春はゴクリと唾を飲み、もう一度同じことを口にする。
「僕と結婚して欲しいんだ。紫乃ちゃんのことが、ずっと好きだった」
紫乃は驚きと混乱で、目をしぱしぱと瞬くことしか出来ない。