とあるレンジャーの休日
(ハルくんが私を好き……?)
一つ年上の宗春は、小さい頃から――遡れば幼稚園から、ずっと傍にいた幼なじみだ。
高校が別れてからは、年齢的なこともあり、親しくすることも少なくなっていた。
紫乃が医師を目指すと決めてからは、忙しいのもあって、ほとんど顔も見なくなった。
再び顔を合わせるようになったのは、紫乃が大学病院を退職し、実家の診療所で患者を診るようになってからだ。
ちょうどその頃から、宗春も吾郎の道場を手伝うようになっていた。
背が高く、格闘技をやっている割に細身な宗春は、いつもの穏やかな笑顔を真剣な表情に変え、まっすぐ紫乃を見つめた。
「僕ならどこにも行かずに、ここで紫乃ちゃんを支えられる。紫乃ちゃんが抱えているもの全部一緒に支えるから……だから、僕と結婚してください!」
紫乃は、宗春の言葉に息を呑む。