とあるレンジャーの休日
「紫乃いなくなるの? どれくらい?」
「17時から20時まで。その前に部屋を案内しておくから。お風呂も適当に入ってていいよ」
居間を出て、玄関前にある階段を上がる。
歩は自分の荷物を持ち、紫乃の後をおとなしくついて来た。
紫乃は廊下を奥に進み、自分の部屋の隣にある和室のドアノブを回す。
彼女の部屋は洋室で、こことは壁でしっかり区切られていた。
「さっき、歩が寝てる間にお布団出しておいたから。敷くのは自分でやって。タオルと歯ブラシも置いといたけど……足りないものがあったら、おじいちゃんか父さんに聞いてね」
親戚を泊めるときの要領で、適当に準備しただけだったのだが、歩はえらく感激した様子を見せる。
「ありがとう、紫乃。あのさ……」
「うん?」
歩の方を振り返ると、彼はなぜか真剣な顔をして、こう言った。
「裸になって欲しい時は、いつでも言って」
(は――?)