とあるレンジャーの休日

 引かれるかと思いきや、彼はしきりに感心した様子を見せる。紫乃は、それが少し嬉しかった。

「じゃあ脱がなくていいんだ」

「そうだよ」

「それは残念……」

 歩の呟きに、今度は紫乃が首を捻る番だった。

「脱ぎたいの?」

「いや……別に」

 彼は何かを言いかけて、でもそこで止めた。
 紫乃が本気で不可解そうな顔をしていたからだ。

「紫乃って、変わってるね」

「やっぱり引いた?」

 筋骨に対する愛を語りすぎると、大抵の場合、相手にドン引きされる。
 だが、分かっていても、ついつい語りたくなってしまうのは、どうしようもない。

「いいんじゃないの。それが紫乃だし」

「本当? じゃあもっと遠慮なく見てもいい?」

「もっと……?」

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