とあるレンジャーの休日
味噌汁の具は、豆腐とわかめ。
ごく一般的な献立だったが、どれも揃っていい味付けだった。
おかわりはしてもいいのだろうか――歩は食べ始めてすぐ、それが気になって仕方なくなった。
白米があと二口くらいになったところで、意を決して清二郎に訊ねる。
「あの、おかわりしてもいいっすか?」
清二郎は軽く目を見開くと、急にハハッと笑い出した。
「好きにしろ。だが、あと二人分は残しておけよ」
「はいっ!」
二杯目を腹に収めたところで、ちょうど腹八分。
満腹にする習慣のない歩は、そこで箸を置いた。
用意されていた皿はすべて綺麗になっている。
「ごちそうさまでした」
再び手を合わせる歩を見て、清二郎は「もういいのか?」と訊ねた。
「はい。これ以上は動けなくなるんで」
「そうか……レンジャーだもんな」
紫乃にしろ清二郎にしろ、こちらの生態に詳しいのは、父親が元自衛官だからだろうか――