とあるレンジャーの休日




   *




 窓から差し込んできた光が伸びて、ちょうど歩の目元を照らしだす。

 その眩しさに、歩は思わず寝返りを打った。
 そこでハッとし、パチリと目を開く。

「えっ?」

 見覚えのない天井。
 和室独特の香りと柔らかい布団の感触。
 そして微かに匂う甘やかな花の香り――

(ここはどこだ?)

 こんなにまとめて睡眠が取れたのは、久しぶりだった。

 身体を起こすと、ようやくそこで隣に人がいることに気付き、ギョッとする。

「うわっ」

 歩は一瞬、自分が何かとんでもない失敗をしでかしたのかと思い、混乱した。
 だがすぐに紫乃の顔と、自分がどこにいるのかを思い出し、頭の中が整理されていく。

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