とあるレンジャーの休日
ひとときの戯れ

08

 
 戦うというのは、守るだけじゃない。
 当然そこには、相手を攻撃することも含まれる。

 日本では専守防衛が基本だ。
 相手が仕掛けてくるまで、こちらからは攻撃せず、その攻撃も自衛の範疇に限られる――とされている。

 だが実際、敵意を持って向かってくる相手と対峙したとき、そんなことが本当に可能だろうか。
 出来るとすれば、余程実力に差があるか、優位な武器がこちらにある時――

 でも、もしその相手が訓練された軍人だったら?

 目の前にいるのが、今まさに攻撃を仕掛けようとするテロリストだったら?

 相手が攻撃してくるのを待って、こちらからは何もしないなんて、現実的じゃない。

 格闘技なら、ルールがある。
 相手の生命を脅かす攻撃はしないという厳然としたルール。
 それがあるから、互いに思いきり戦える。

 でも実際の戦いには、そんなルールなど存在しない。

 だから自衛官や一部の警察官たちは、実戦で使える技術を習得し、繰り返し訓練する。

 いざという時、本当に戦えるように。

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