シークレット・サマー ~この世界に君がいるから~
14-1 夏のしずく
アラームが鳴っている。
もう朝が来たなんて信じられない。
さっき布団に入ったばかりの気がするのに。
ああ、そうか。昨晩は飲み会だったんだ。
ずいぶん飲んだ。途中までは楽しく、終盤はやけになってコップをあおった。
だって大切なバンド「トライクロマティック」が解散するって言うから――。
遥人は先に帰ってしまい、残ったのは亜依だけ。最後まで航は現れなかった。
どうにか考え直してほしくて、しつこく亜依に絡んだ。
そこから後の記憶があやしい。
店を出たのは何となく覚えている。
亜依の腕に支えられて、歩いた。
送ってくれると言われて……どうしたんだっけ?
二日酔いの頭痛に襲われるのを覚悟して、わたしは額に手をやった。
意外にも、痛みはない。
ただ、だるいだけ。
もともと朝は苦手だし。やけに暑いし。
あれ? 暑いっておかしいな。エアコン直ったんだっけ……。
うまく頭が働かない。とにかく暑いし、アラームはうるさい。
片手を動かす。
どこから音が鳴っているのか、目を閉じたまま探る。
右……? それとも、もっと上?
なかなか見つからない。
頭上に手をやって何度か左右に動かすと、指先が携帯の硬い手触りをとらえた。
寝起きのぼんやりした頭を動かして、わたしは携帯を確認する。
もう朝が来たなんて信じられない。
さっき布団に入ったばかりの気がするのに。
ああ、そうか。昨晩は飲み会だったんだ。
ずいぶん飲んだ。途中までは楽しく、終盤はやけになってコップをあおった。
だって大切なバンド「トライクロマティック」が解散するって言うから――。
遥人は先に帰ってしまい、残ったのは亜依だけ。最後まで航は現れなかった。
どうにか考え直してほしくて、しつこく亜依に絡んだ。
そこから後の記憶があやしい。
店を出たのは何となく覚えている。
亜依の腕に支えられて、歩いた。
送ってくれると言われて……どうしたんだっけ?
二日酔いの頭痛に襲われるのを覚悟して、わたしは額に手をやった。
意外にも、痛みはない。
ただ、だるいだけ。
もともと朝は苦手だし。やけに暑いし。
あれ? 暑いっておかしいな。エアコン直ったんだっけ……。
うまく頭が働かない。とにかく暑いし、アラームはうるさい。
片手を動かす。
どこから音が鳴っているのか、目を閉じたまま探る。
右……? それとも、もっと上?
なかなか見つからない。
頭上に手をやって何度か左右に動かすと、指先が携帯の硬い手触りをとらえた。
寝起きのぼんやりした頭を動かして、わたしは携帯を確認する。