シークレット・サマー ~この世界に君がいるから~
先生が用意してくれたお弁当を食べ終わり、部室で円座になっているときだった。
遥人がアコースティックギターを奏で始めた。
先輩のお題に、即興で応じる。
「猿も木から落ちる」「醒めない夢」「狼」「バビロン」……まさにそのテーマを現した奇想天外なメロディが次々と生まれる。
遥人は輝いていた。得意げというのとは違う、ただ夢中で挑戦しているのだと思う。
野呂部長が言った。
「矢淵さん、制服じゃ窮屈でしょ。着替えてきなよ。今、防音室が更衣室になってるから。女と男、張り紙してある」
周囲を見れば、確かにみんなジャージや私服に着替えていた。
制服のスカートから出た膝を隠しながら、わたしは小声で答える。
「すみません。わたし、着替え持ってきてなくて……」
「え、もしかして寝袋も持ってきてない?」
遥人がアコースティックギターを奏で始めた。
先輩のお題に、即興で応じる。
「猿も木から落ちる」「醒めない夢」「狼」「バビロン」……まさにそのテーマを現した奇想天外なメロディが次々と生まれる。
遥人は輝いていた。得意げというのとは違う、ただ夢中で挑戦しているのだと思う。
野呂部長が言った。
「矢淵さん、制服じゃ窮屈でしょ。着替えてきなよ。今、防音室が更衣室になってるから。女と男、張り紙してある」
周囲を見れば、確かにみんなジャージや私服に着替えていた。
制服のスカートから出た膝を隠しながら、わたしは小声で答える。
「すみません。わたし、着替え持ってきてなくて……」
「え、もしかして寝袋も持ってきてない?」