シークレット・サマー ~この世界に君がいるから~
亜依が言うと、遥人もうなずいて同意する。
「やだ、やめて。航に悪いよ」
「照れちゃってー。めんこいのう。ほら、証拠だってあるじゃん」
亜依がわたしの右手をつかんだ。
反対の手で、斜め前の航の手も。
ふたつのこぶしがテーブルの上で突き合わされる。
わたしの薬指と、航の薬指。
そこにはおそろいの指輪が光っていた。
おそるおそる手を引いて、逆の手の指で触れる。金色の華奢なリング。
何これ。まるで恋人同士の証のようなアクセサリー。
覚えがない。いつから?
言葉を失ったわたしに、すまん! と航が両手を合わせた。
「さっき、未波がうとうとしてる間に、サプライズのつもりで勝手にはめた。酒の力借りてしか言えねえヘタレだけど、おいら、ずっと未波に助けられてて、未波のことが好きで」
思ってもみなかった告白を、わたしは呆然と聞いた。
「中二んとき、合宿の初日に、俺がどんな風に曲を書けばいいか悩んでたら、未波が来てさ。それまであまり喋ったことなかったんだけど、すげえ深い話をしてくれたんだよな。それが励みになってさ。未波のためにいい曲を書こう、って決めたんだ」
「何度目だろ、その話。あー暑い。もうすぐ冬なのに暑いなー」
「やだ、やめて。航に悪いよ」
「照れちゃってー。めんこいのう。ほら、証拠だってあるじゃん」
亜依がわたしの右手をつかんだ。
反対の手で、斜め前の航の手も。
ふたつのこぶしがテーブルの上で突き合わされる。
わたしの薬指と、航の薬指。
そこにはおそろいの指輪が光っていた。
おそるおそる手を引いて、逆の手の指で触れる。金色の華奢なリング。
何これ。まるで恋人同士の証のようなアクセサリー。
覚えがない。いつから?
言葉を失ったわたしに、すまん! と航が両手を合わせた。
「さっき、未波がうとうとしてる間に、サプライズのつもりで勝手にはめた。酒の力借りてしか言えねえヘタレだけど、おいら、ずっと未波に助けられてて、未波のことが好きで」
思ってもみなかった告白を、わたしは呆然と聞いた。
「中二んとき、合宿の初日に、俺がどんな風に曲を書けばいいか悩んでたら、未波が来てさ。それまであまり喋ったことなかったんだけど、すげえ深い話をしてくれたんだよな。それが励みになってさ。未波のためにいい曲を書こう、って決めたんだ」
「何度目だろ、その話。あー暑い。もうすぐ冬なのに暑いなー」