Des gouttes de larmes 〜涙の雫〜
『ごめんなさい〜待ちました?』




『いや、まだ約束の時間じゃないし。俺が楽しみすぎて、早く着きすぎただけだよ。じゃあ行こっか』




雄大さんが優しく微笑む。
今日の雄大さんも大人っぽくてかっこいい。




私達はタクシーに乗り込み、船が出る港へ向かった。




『うわ〜。大っきい船ですね』




『初めて来たけど、立派な船だね』




600人ほど乗れる大きな船は夜の海の上でキラキラと輝いていた。




私達は船内と入り、受付を済ませ、席へと案内された。運良く窓際の席だった。




『中も凄い豪華ですね〜なんか緊張しちゃう』




『俺もなんか、こういうところ慣れてないから緊張しちゃうな』



二人で笑い合った。




頭上には大きなシャンデリアが煌々と輝いている。




窓の外は工業地帯の綺麗な夜景が広がっていた。




『雄大さん窓の外とっても綺麗ですよ』




『やっぱ夜景見るのは寒いけど、冬がいいね』




こんな綺麗な夜景を見ながら、ディナーができるのはなんて幸せなことなんだろう。




『そろそろ出航かな』




雄大さんがチラッと時計を見る。




大きな汽笛を鳴らし、船が出航し始めた。




それに連れて、窓の外の夜景も変化していった。




『飲み物はシャンパンでいい?』




『はい。ありがとうございます』




『今日は来てくれて本当ありがとう。嬉しかったよ。乾杯。』




『乾杯。私も誘ってもらって嬉しかったです。』




オシャレな前菜が運ばれてきた。




うわ〜こんなの友達の結婚式でしか食べたことないよ。




料理も宝石のようにキラキラと輝いていた。




『お、おいしぃ〜』




『本当美味しそうに食べるね。お口に合ってよかったです』



そう言って、雄大さんは笑顔でシャンパンに口をつける。
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