Des gouttes de larmes 〜涙の雫〜
料理も中盤にさしかかった頃、私はずっと気になってた一つの疑問を投げかける事にした。




『ちょっと気になってたんですけど、どうして、私を誘ったんですか?』




唐突に変な質問をされた雄大さんは吹き出しそうになった。




『どストレートな質問だね。ちょっとビックリしちゃった』




そして、シャンパンを口に含み真剣な表情で話し始めた。




『初めて合った時には、もう奈々ちゃんが気になってた。』




逆にこっちがビックリさせられた。




『え、えっ?でも、ゲームで雄大さんは里菜がいいって』




『あれは嘘。奈々ちゃんを指す勇気がなかった。俺が奈々ちゃんに嫌って思われたらどうしようって思っちゃって』




『奈々ちゃんが翔とかと仲良く話しているの見てたら、なんかモヤモヤしちゃって。結局、連絡先も聞けずじまいだったし』




『で、翔が奈々ちゃんと牡蠣小屋行くって話に便乗したわけ。もう一回会いたかったから。俺ちっちゃい男でしょ?』




雄大さんが笑顔で話す。




『全然気付かなかった。こんな私のどこがいいんですか?』




『う〜ん。笑顔可愛いところとか、気遣いできるところとか、でも、わからない。仕方ないじゃん好きになっちゃったんだから』




雄大さんが照れながら言う。
そして、急に真剣な表情になり、




『奈々ちゃん。好きです。こんな俺だけど、付き合ってくれませんか?』




急に体中に電気が走った感覚になった。




頭の中が真っ白になった。




『は、はい。よろしくお願いします。』




雄大さんはホッとした表情で私を見つめていた。




私は嬉しさのあまり泣き出しそうになった。




私に、彼氏ができた。
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