Des gouttes de larmes 〜涙の雫〜
『皆さん~楽しい時間はあっという間に過ぎちゃいます~。二次会行きましょう!二次会!会計は終わってまーす!』




えっマジ?なんなんだこいつらは。だいぶ前行った合コンは完全割り勘だったぞ。




『皆さんご馳走さまです~。ありがとうございます』




里菜が可愛くお礼を言う。やっぱ奢られ慣れてんな〜。だが、女の私から見ても可愛い。




『いいっていいって!おい紀子二次会行くぞ~』




『当たり前だ!翔!お前を酔い潰してやる!』




おいおい。お前たち、何があった?この短時間で仲良くなりすぎだろ。




でも、まぁ紀子も超楽しそうで、よかったよかった。




けど、翔君。紀子は酒豪だよ。頑張って。




『奈々さん~今日当たりっすね』




二次会の場所に移動しているときに香織がこそっと耳うちしてきた。




いつも毒舌の香織がそう言うということは。誰が見ても当たりだな。




『ぶっちゃけ、奈々さんは誰狙いですか?』




『わかんない。誰でもいい』




うん。今日のメンバーなら私の事を好きって言ってくれるなら、誰でも好きになっちゃう。




『軽っ。らしくない!でも、みんな良さそうですもんね。私は誠也君かな。かっこよくないですか?』




誠也君。かっこいいの知ってるよ。私だってそんな彼氏が欲しい。




『なーに話してるの?』




雄大さんが声かけてきた。誠也君も一緒だ。




『き、今日のお店とっても、オシャレで美味しかったねって』




不意打ちをくらい、慌てて、話をそらした。




『うん。美味しかったよね。やっぱ直哉が一生懸命探したお店だからね。仕事中に真剣な顔でパソコンとにらめっこして探してた時は、思わず、軽く頭叩いたけど』




思い出し笑いをしながら雄大さんが話す。




『あいつなんでも一生懸命で、可愛いんだけどちょっとバカですよね?』




誠也君も満面の笑顔で話す。




『これから直哉の事任したぞ、ちゃんと一人前にするんだぞ』




『嫌です、断ります!雄大さんちゃんと指導してやってください』




雄大さん、本当面倒見がいいんだな。先輩後輩で、冗談を言い合える。人望が厚い。こういう人が上司ならいいだろうな。




『雄大さんって、本当いい先輩ですよね!』




『奈々さんもわかります?本当雄大さんいい先輩なんですよ!俺めっちゃ雄大さん好きです!大好きです!結婚したいです!』




『悪い!俺全然そっちの趣味ないわ』




なんて、冗談を言い合いながら、ふわふわした足取りで二次会の場所へ向かった。

< 7 / 42 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop