ヘタレな貴方と強がりな私
変化
朝、必ず声をかけてくれる
さりげなく私を守るように立ち
電車を降りるまで話しかけてくれる
それが日課になってしまって
会えない日はどこか寂しい
その“寂しい”という気持ちに
私の心はストップしていた
もう裏切られたくない
だから、誰も好きにならない
奈津と二人で生きていくと決めたから
「なっちゃん、元気?」
『うん、元気だよ』
時折聞かれる、奈津のこと
ただの会話の繋ぎ程度だと言い聞かせる
じゃないと
『また奈津に会いに来て』と
言ってしまいそうだからだ
いつから私は
こんなに弱くなってしまったのか…
もうしないと決めた恋を
心のどこかで求め始めている