ヘタレな貴方と強がりな私
いったい誰なのか、分からない
それを理解したのだろう
「前にココで会ってますよ。俺はすぐ帰ったから覚えていないのは当たり前ですけど」
ココで会っていると言うが
私はここの常連ではない
このカフェを利用したのは
前回の拓也と会った時と
小鳥遊くんに偶然会った時だ…
『…あっ』
思い出した
小鳥遊くんに偶然会った時だ
友達と一緒にいた小鳥遊くん
私を見つけるなり、その友達と別れ
私の席へと座った
…その、友達だ
『小鳥遊くんの、お友達ですか?』
「あは、友達…そうですね、今は同僚です」
同僚という彼は
小鳥遊くんと同じ美容院で働く宇津木と名乗る