ヘタレな貴方と強がりな私


なぜ一緒に歩くのか疑問だらけ
ちらっと見ると
綺麗な髪が靡き
女性らしい香りがする

男性なら誰でも惹かれてしまうだろう
近くで見ると、更に綺麗だと思った



「奏くんの、彼女?」


突然聞かれた言葉に
とっさに違います、と答える


「ごめんなさい。この前見た時、あまりにも奏くんが楽しそうに見えたから、てっきり彼女かと思ったの」


クスッと笑いながら
そう告げたサエという女性に
私は少しイラっとした


もしかして、バカにしてる?
バカにされる理由なんてないのに…


「あなた…名前を聞いてもいい?」


その態度にイライラし
先に名乗るのが常識だと伝えると
また、クスッと笑われた

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