ヘタレな貴方と強がりな私
裏切り
その頃の東雲紗枝は23歳
大学を卒業し
大手家電メーカーに就職をした
会える時間が少なくなると思っていたが
東雲紗枝は小鳥遊くんに
部屋の合鍵を渡したのだ
「会えない時間もあるから、少しでも一緒にいたいから、待ってて」
当たり前だが
小鳥遊くんは素直に受け取り
その合鍵を使い
東雲紗枝の部屋に行き、帰りを待った
そんな生活の中
小鳥遊くんは大学進学をやめ
自分の夢だった
美容学校へ進学することを決めた
自分の夢もあるが
早く社会人になりたいという
気持ちが強かったからだ
早く社会人になり
東雲紗枝を支えたいと思ったのだ