ヘタレな貴方と強がりな私


社会人の東雲紗枝は
残業することもあった

寂しさもあった
学生と社会人の差
早く埋めたいと
小鳥遊くんは焦っていたのかもしれない
東雲紗枝のことを疑いもせず…


美容学校へ入学が決まった数日後
たまに連絡をくれていた母親から
話があるから
自宅へ一度帰ってくるようにと言われた


今更なんの話だと
面倒だと思いながら
指定された日時に自宅へ帰った

久しぶりに帰った自宅
仏頂面の父親はリビングのソファに座り
新聞を読んでいる


「俺は父親から離れた縁側に腰を下ろしていた。そこに兄貴が帰ってきたんだ…でも兄貴は一人じゃなかった。…紗枝さんと一緒だった」


小鳥遊くんは何が起こっているのか
さっぱり理解ができなかったと言う

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