ヘタレな貴方と強がりな私
小さな勇気
どうぞ、どうぞと
白戸さんと息子さんを誘った
何も知らない莉子に
ダメとは言えず、私とただ黙っていた
「白戸課長も、よく来るんですか?」
「いや、たまたまだよ。息子が誘ってくれてね…今はなかなか会えないから」
まだ離婚協議中なのだろう
それ以上、莉子は突っ込むことはなく
息子くんの話や白戸さんのプライベートな話を聞いたりしていた
食事も済ませ
白戸さんがいるなら帰ろうかと思っていたら
奈津が莉子を誘いアスレチック遊具へ行こうと言い出した
『なら、私も…』
「りこちゃんとあそぶ。かずくんもいこう」
そう言った奈津は
白戸さんの息子くんの手を握っていた