ヘタレな貴方と強がりな私
ありがとう、と態勢を立て直す
アナウンスが流れると
車内はガヤガヤとため息が聞こえてきた
「動物だって、朝からキツいね」
『そうだね。時間、大丈夫?』
「平気」
そう言いながらも
つり革を掴んでいる腕につけられている時計を確認している
いつになったら
私の背中にある腕を引っ込めるんだろうかと思いながら見上げている
背が高いな…
女の私の背は低くはない
けど、その私が見上げるくらいだ
電車の中でも頭一つ飛び抜けている
「小鳥遊くん、おはよう」
そんな彼だから、目立つ
必ず誰かに話しかけられている
会社の人か、それとも友達か
そんなことは知らない