ヘタレな貴方と強がりな私
女の心の内
よかった、と思う気持ちと
まだだ、という気持ちがある
『兄弟、仲良く…だよ』
「うん。これからは、たまに呑みに行こうって。いつか親父も交えて呑めたらいいかな」
うん、そうだね
それがいい
私もいつか…
「…兄貴に聞いたんだ、紗枝さんとのこと」
そこが一番、聞きたかったことだ
でも、その前に一息入れようと
冷めたコーヒーを淹れ直す
キッチンにいる私に向かって
小鳥遊くんは声をかけてきた
「俺の話ばかりで、ごめん」
『ううん、先に聞きたいの』
小鳥遊くんの事が気になっていた
だから、先に聞きたいのが本音だ
淹れ直した温かいコーヒーを
一口飲むと
小鳥遊くんは小さく深呼吸をし
東雲紗枝の事を話し出した