ヘタレな貴方と強がりな私


公園に着くと
やはり日曜日、親子連れが多い
この中で遊ぶのは引ける気がするが
奈津は大好きなブランコへ乗った

まだ自分で漕ぐことができないから
私が後ろから押す


「俺、やってもいい?」


恐る恐る聞いてきた拓也
奈津を見てみると
少し困ってる様子
でも、私は知ってる

ブランコに乗る時
隣の親子を見ていた
子供を押すお父さんを…


『なら、お願いしようかな』


そういって拓也に託した
奈津は黙って私を見ていた

行くぞ、と拓也は奈津の背中を押し始めた
少しずつブランコは揺れ始め
私がいつも押すより高く
ブランコは揺れている

危ない、と思ったが
奈津はいつもより高い位置のブランコに
驚きながらも嬉しそうな顔をしていた

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