ヘタレな貴方と強がりな私


奈津が楽しいのは明らかにわかる
わかるからこそ、ちゃんと聞きたい


『奈津、お父さんと遊べて楽しい?』


「…うん、たのしい」


私に遠慮をしているのか
ハッ、とした顔をしたが
すぐに自分の気持ちを正直に言ってくれた


『もう少ししたら帰るからね』


そういうと
残念な気持ちになったのだろう
顔がしょんぼりしている


『奈津…また会いたいなら、ちゃんとお父さんに言わなくちゃ。かずくんにも言われていたでしょ?…あと、お手紙も渡すために書いたんだから、ちゃんと渡さなきゃね』


私が知っていることに驚いた奈津
うん、て頷いてくれて
私たちは拓也のいるところへ戻った
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