ヘタレな貴方と強がりな私
決めた勇気
そろそろ帰ろうか、と声をかけ
私達は公園を後にした
奈津の手は私に繋がれていて
反対の手は
ギュッ、と握られていた
帰りは拓也も
奈津の歩幅に合わせてくれ
奈津の隣にいる
奈津の勇気があれば
手を繋げる距離だが…
少しだけ考えた末
ある事を思いついた
奈津の勇気に期待を込めた
『拓也、悪いんだけど買い忘れあったの思い出したの。あそこのスーパーに行って来るから、奈津と待っててくれる?』
「あ、俺はいいけど…奈津が…」
奈津を見てみると
私の方を見ている
奈津と視線を合わせるようにしゃがみこむ
『奈津、お父さんと待っててくれる?』
奈津は少し黙っていたが
うん、と頷いてくれた