ヘタレな貴方と強がりな私


そんな両親と
それを嬉しそうに見ている姉夫婦


『小鳥遊くん、ありがとう』


「ん?俺はただ優奈さんとなっちゃんが笑顔でいてくれたら、いいんだ」


そう言ってニコッと笑いながら
誰にも見えないように
私の手を握ってくれた

その手が温かくて、心地よくて
離したくなくて握り返した


その後、両親は工場へ戻り
姉と私達だけとなってしまった


「飯、食べて行け」


父が小鳥遊くんにそう告げたことで
私達は帰るに帰れなくなってしまったのだ
小鳥遊くん的には
まだ肝心な話をしていなく
どう切り出していいか、焦っているようだ


「大丈夫だよ、お父さんは優奈に弱いから」


姉の一言は緊張している
小鳥遊くんの耳に届いたかは、わからない

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