ヘタレな貴方と強がりな私
「明日だけ、朝番代わってもらえませんか?」
後輩の頼みで
店の朝番をかわってやった
下っ端は朝番という
店を開ける準備が任せられている
一人欠ければ
他の人が倍やらないといけない
中には朝練目的なやつもいる
俺も下っ端の時はそうだった
いつもよりかなり早い時間の電車に乗ると
あの子を見つけた
あっ、と声に出したが
彼女はチラッと俺を見て
何事もなかったかのように視線を外した
まるで興味がない、という現れ
やっぱり興味がでた
この子のことを知りたい
久しぶりだ
「おはよう」
そう声をかけると
彼女は遠慮しながら
“おはようございます”と返してくれた