ヘタレな貴方と強がりな私


それからだ
彼女のことが知りたくて
彼女が乗る時間に合わせて
早い時間の電車に乗った

興味が湧いたからと言って
今までのスタイルがかわるわけではないが
正直、もうどうでもよかった

彼女との少しの時間が
とても居心地が良かった
誰にも邪魔をされたくない


俺の癒し、だ


彼女の名前は、染川さん
それしか彼女のことは知らない

たまに呼ばれる“小鳥遊くん”という響き
とても居心地がいいんだ

もっと呼ばれたい
もって近づきたい、と

自分の気づかない気持ちは
少しずつ大きくなっていった


これが彼女との出会い
この時
俺は彼女に惹かれていっているなんて
そんなこと考えてもいなかった


【Fin】
< 396 / 397 >

この作品をシェア

pagetop