ヘタレな貴方と強がりな私


忘れるはずない
だって、毎日聞いていた声だから

3年経っても
まだ覚えているんだと驚く


どうして私の番号を知っているのか、
どうして住んでいる街を知っているのか…
頭の中で“どうして”だけが回っていた

何を言ったのか覚えていない
ただ、ただ…逃げたい気持ちが強かった



“わすれられないんだ”

“昔の俺じゃない、だからやり直そう”



誰がそんな言葉を信じるか、
あんなに信用しようとしたのに
裏切ったのは、そっちじゃない

どうして今更、
3年も経って、今更だよ…


戻る気なんてない
でも、どうしてだろう

あの人の声が、
私の名を呼ぶ声が耳から離れなかった

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