ヘタレな貴方と強がりな私



『あの時は…どうかしてました。今は奈津と一緒にいたいので、大丈夫です』



そう伝えたが
さちこ園長先生は
それでも、と話を続けようとする
それを振り切るように
私は奈津を連れて保育園から出た


子供は敏感だ
奈津は私の顔を心配そうに見て来る


「おかあさん、だいじょうぶ?」
「そうちゃん、よぼうか?」


『な、奈津っ?』


心配してくれるのはわかる
だが、何故、小鳥遊くんの名前が
出て来るのかわからない


「そうちゃんが、おかあさんがないたら、そうちゃんをよんでいいって、いってたよ?」


いつの間に、そんな事を言っていたんだ
そして、それを奈津はきちんと覚えていた

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