1000年後の世界に
丘のうえは町全体を見渡せる


ここが何よりもお気に入りで私の癒しだった

「薫」

薫とは私のマスターの名前

「くぉぅ?」

首を傾げて返事をする


何故私は皆がこれを持っているのか不思議でしょうがなかった

どうしてマスターと過ごさなくてはいけないのか

「どうして君は私といるんだい?」

「くぉん!」

「ふはっ!ごめんよ、変なこと聞いて」

その後めちゃくちゃ薫を撫で回した

「茉莉!茉莉!」

振り向くと近づいてきたのは柊だった

なにやら息をきらしている

「どうしたの?ここにくるなんて」

「どうしたのじゃないよ、大変なんだよ。
町中のマスターが、消えたんだよ!」

目を見開いた。そんなことがあるのだろうか。

だって今までそんな事はあるはずがない。

今までに例がないだろう。

よく見れば柊のマスター、柊(ひいらぎ)もいない。

「柊のマスターもいないじゃない!」

「そうなんだよ!多分今マスターを持っている人はたぶん茉莉だけだ。もうじき、悠と梨沙もここへくる。2人もマスターがいなくなったんだ。」

あとから事情を聞くと町にいた全員のマスターがいなくなったらしい。

私は幸いにも町外れにいたため被害がなかった。

< 3 / 10 >

この作品をシェア

pagetop