1000年後の世界に
何故マスターがいないだけでここまで焦るのか。

町を支えているのはほぼマスターだと言われている。

力仕事はもちろん畑、田、工業までがマスターによって補わられている。

いわゆる町の機能が停止してしまうのだ。

旧文明(3200年以前)は便利なものが沢山あったと伝えられている。

らしいが”戦争”というもので人類とものというものがほとんどなくなったらしい。

教科書でしかみたことがないが自動で洗濯ができたりするらしい。

人類は3200年の時には80億人近くいたらしい。

しかし”戦争”という争いで全人類が5000万人以下となってしまった。

日本は1万人残っていたかいないくらいだったと伝えられている。

世界的に大きな打撃を受け、各国貿易を停止。

もう4200年以上各国は貿易をやっておらず各国が今どの状態であるかはわからない。

英語が無縁なのはこの為である。

そして4200年以上がたった今日本には8つの町がある。

人口のほぼ100%が8つの町それぞれ暮らす。

私達の町、長野町は人口が一番少ない町だ。400人いるかいないかくらい。

他に最大の町京都町、東北町、利根川町、飛騨町、桜島町、吉野ケ里町、富士見町の8つだ。

今の日本の人口は3万人程に増えていった。

京都町では1万人近く住んでいると聞いた。

話を戻そう。

とりあえず今は役長(いわゆる町長)の所へいかなければならない。

私達がいた丘から約10km。

10歳の体ではとても遠かった。

走って体力が持つわけはない。

「このままじゃ全員の体力持たないよ。」

頭のいい悠がいう。

私ももう限界ではないけど息が切れている。

「はぁ、はぁ、もう無理なんだけど…。」

梨沙が最初に音を上げる。

女の子だし仕方がない。

今はまだ2kmを過ぎたくらいだと推測される。

「くぉ!!」

「薫?」

薫はちょっと離れてからまた戻ってきた。

薫が持ってきたのは馬車の荷台だった。

「ああ!」

4人で一斉に声をあげた。

薫に紐をつけ、悠と柊が紐を掴む。

薫が荷台を引っ張るとさっき走っていたよりも2倍以上スピードが上がっただろう。

30分もしないうちに役長のいる児民館へ到着した。

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