空色プレリュード
普通に接してほしい。

そんな特別扱いなんかしてほしくない‥。


小学校の頃からそうだ。


重たい物、家庭科の実習で料理をするとき、体育、ありとあらゆる物を避けられてきた。


怪我するといけないから!


花音ちゃん!そんなの私が持つから!怪我したら大変!!


誰も私の言葉に耳を傾けない‥。学校も家もずっと一人‥。


‥なんで、こんなにつらいことまでしてピアニストになりたいんだろう‥。


最近では不安さえも花音の心を満たしていた。


そんな不安な心を解消すべく、花音はいつも昼休みは音楽室にこもってピアノをひいていた。


今日、弾いている曲はカノン。私自信この曲が大好きだ。


両親もこの曲が好きで、生まれてきた子どもにカノンていう名前にしたかったらしい。

それが私だった。

両親は音楽家でいつも世界を飛び回っている。だから家には花音一人で住んでいる。


花音は軽快に曲を弾いていた。

楽しくて楽しくて仕方がない。

どんどん、音がはずんでいくのがわかった。


私のこんな気持ちを分かってくれるのは、ピアノだけ。誰も私を見てくれないなら友達はピアノだけでいい!
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